本文へ移動

文字起こしを整える

福祉の専門用語が文字起こしで化けるときの直し方

制作・更新:株式会社ENWAVE監修:北村陽朗(株式会社ENWAVE 代表取締役/2017年から障害福祉事業所を運営)更新

福祉の専門用語や事業所独自の呼び名が文字起こしで違う言葉になる場合は、よく使う表記と読みを用語辞書に登録して試します。WelWorkの実際の辞書画面を使い、語の選び方、登録の例、登録後の確認を説明します。辞書は誤変換を減らすための補助で、すべての聞き間違いをなくすものではありません。

この記事で分かること

  • 用語辞書へ登録する言葉を選べる
  • 読み・表記・カテゴリの具体例が分かる
  • 辞書で直せることと、人が確認することを分けられる
WelWorkの実画面架空データによる表示例
WelWorkの用語辞書。読み・表記・カテゴリの登録一覧

「読み」と「表記」を組で登録する用語辞書。ここでは福祉用語8語を登録した例を表示しています。

2026年9月21日時点の実装を、架空データで表示して撮影しています。 表示や操作できる内容は権限・提供条件により異なります。

画面を拡大する(別タブ)

なぜ福祉の言葉は化けるのか

音声認識では、専門的な略語や固有名詞が、音の似た別の言葉になることがあります。たとえば「サビ管」を別の表記で出力した場合、文章全体は自然でも、職名が伝わりません。まずは原音にその言葉が含まれているか、発言自体が聞き取れるかを確認します。

作業班や送迎コースの名前も事業所によって異なります。辞書へ登録する候補は、実際の文字起こしで修正した語から集めます。背景音に声が埋もれている場合は、辞書を増やすことに加えて録音環境の見直しが必要です。

まず、実際に直した言葉から集める

網羅的な辞書を最初から作るより、直近の文字起こしで直した言葉を一覧にします。「よく使う」「誤変換すると対象を取り違える」という観点で優先順位を付けると、登録と確認を続けやすくなります。次の種類を参考に、事業所で使用する語を選んでください。

  • サービス種別と職名 — 就労継続支援B型、生活介護、サビ管(サービス管理責任者)、児発管
  • 書類の名前 — 個別支援計画、モニタリング記録、サービス提供実績記録票、アセスメント
  • 加算・制度の名前 — 事業所で実際に算定しているものだけ。算定していない加算は登録しない
  • 事業所独自の呼び名 — 作業班の名前、送迎コースの呼び方、部屋の通称
  • 人の名前 — 職員名と、事業所で使っている利用者の呼称ルール(呼び捨てにしない等)

読みの付け方のコツ

辞書は「表記」と「読み」を組にして登録します。読みは実際に発音する音を確かめます。「サビ管」と「サービス管理責任者」は発音が異なるため、使い分けているならそれぞれの読みと表記を検討します。「計画」のような広い言葉をすべて「個別支援計画」に置き換える登録は、別の計画の話まで変えるおそれがあります。

アルファベットや数字が混ざる言葉は、読み方を声に出して確かめてから登録してください。『B型』は『びーがた』、『ID』は『あいでぃー』のように、耳で聞いた音をそのまま書きます。

一方で、短すぎる読み(1〜2 音)は他の言葉まで巻き込んで誤変換を増やすことがあります。2 文字の略語を登録するときは、登録後の文字起こしを 1 回確認してください。

WelWorkの用語辞書で、表記と読みを登録する

「用語辞書」の一覧で既存の登録語を確認し、重複がないかを見てから追加します。読み、表記、カテゴリをそろえておくと、後から他の職員が見直しやすくなります。画面の一括登録を使う場合も、事業所で実際に使う語を確認してください。

以下は登録候補を考えるための例です。利用者の氏名などを使わず、まず業務用語で動作を確認することもできます。特定の略称をどの正式名称として扱うかは、事業所内で合意してから登録します。

辞書登録の見本
表記読みの例確認する点
サビ管さびかん会議でこの略称を使っているか
就労継続支援B型しゅうろうけいぞくしえんびーがた正式名称と略称を混同していないか
個別支援計画こべつしえんけいかく一般的な「計画」まで置換しないか
工賃こうちん同じ音の別の語が出る場面がないか

登録したあとにやること

登録後の新しい文字起こしで、対象の言葉を原音と照合します。過去に保存された議事録の本文が、辞書の変更だけで直るわけではありません。過去の記録を直す必要がある場合は、記録の状態と訂正の手順を確認してください。

確認では、直したかった箇所に加えて、同音の別の言葉まで変わっていないかも見ます。登録前後の結果、確認日、残った誤りを短くメモすると、次に直す読みを選べます。辞書がある場合も、AIによる議事録は草案として職員が確認します。

辞書で解決しないときの切り分け

音がはっきり聞こえるのに表記だけ違う場合は、読みと表記の組を見直します。音そのものが聞き取れない場合は、端末の位置や同時発言を見直します。正しい用語が出ているのに文章の意味が違う場合は、文字起こしや草案を原音と照合し、発言のつながりを職員が確認します。

人名を登録する際は、辞書の編集権限と利用範囲も確認します。公開記事のサンプルをそのまま登録する必要はありません。事業所で使う表記を正本にし、呼称が変わったときに見直す担当を決めておきます。

実務で使う確認リスト

  • 実際に誤変換した語から選んだ
  • 読みが会議中の発音と合っている
  • 同音の別の言葉まで変わっていないか確認した

よくある質問

用語辞書に利用者の氏名を登録してもよいですか?
事業所の個人情報の取り扱いに沿って判断してください。氏名は辞書内でも個人情報です。誰が閲覧・編集でき、何の目的で使うかを確認します。登録によって認識結果が改善する場合もありますが、精度は保証されないため本人の取り違えを人が確認します。
方言や早口は認識されますか?
発音が標準的な読みから離れるほど精度は下がります。方言でよく使う言い回しも辞書に登録できますが、根本的には会議の冒頭で「一人ずつ、少しゆっくり」と共有する方が効果的です。
辞書を登録すれば誤変換はゼロになりますか?
ゼロにはなりません。文字起こしは音から推測する仕組みなので、同音異義語や聞き取りにくい箇所は残ります。だからこそ、出てきた文字起こしと議事録の草案は、会議に出ていた職員が確認する前提で使ってください。

この記事と画面について

WelWorkの実装を確認して編集しています。画面・記載例の人物や記録は架空で、利用実績や効果を示すものではありません。制度上の要件や手続きは、事業所に適用される指定権者の最新の案内をご確認ください。

この記事の監修

北村陽朗株式会社ENWAVE 代表取締役

2017年から障害福祉事業所を運営し、記録・会議・行政への提出物・人員配置の確認に追われてきた経験をもとに、WelWorkを開発しています。

次の業務につながるガイド