日々の記録を残す
福祉事業所の業務日誌・支援記録を、1日1画面で整理する
制作・更新:株式会社ENWAVE監修:北村陽朗(株式会社ENWAVE 代表取締役/2017年から障害福祉事業所を運営)更新
業務日誌には事業所全体の出来事を、利用者ごとの支援記録には本人の様子と職員の対応を残します。WelWorkの「業務記録ボード」では、日付を選び、出欠と日誌、利用者ごとの記録を同じ画面で確認できます。架空の記載例を使い、日々の入力を次の申し送りや計画の振り返りにつなげる方法を説明します。
この記事で分かること
- 業務日誌と個別の支援記録の書き分けが分かる
- 出欠・時間・支援記録を確認する流れを追える
- 本文・タグ・期間で日誌を検索し、ヒヤリハット集計へつなぐ手順が分かる

業務記録ボード内の利用者支援記録。出欠・時間と、その日の本人の言葉や職員の対応を確認できます。
2026年9月21日時点の実装を、架空データで表示して撮影しています。 表示や操作できる内容は権限・提供条件により異なります。
画面を拡大する(別タブ)業務日誌と、利用者ごとの支援記録を分ける
同じ日の記録でも、読む目的は違います。業務日誌は「事業所で何があったか」を職員が共有するためのものです。支援記録は「その人がどう過ごし、どのような支援を行ったか」を後から振り返る材料です。両方へ同じ文章を貼るのではなく、対象と目的に合わせて書き分けます。
たとえば作業内容の変更は業務日誌に、変更を本人へどう説明し、本人が何と話し、どのように取り組んだかは個別の支援記録へ残します。共通の日誌に個人の詳しい事情を書きすぎないよう、共有する範囲も考えます。
| 記録 | 残す内容 | 架空の記載例 |
|---|---|---|
| 業務日誌 | その日の活動と全体の申し送り | 午前は袋詰めを実施。午後の検品に向けて職員間で手順を確認した。 |
| 支援記録 | 本人の様子・言葉・職員の対応 | 本人が「見本があると進めやすい」と話したため、完成見本を手元に置いた。 |
| 次の申し送り | 確認が必要なこと | 次回、見本を使った作業の進め方について本人の感想を確認する。 |
日付を選び、「編集する」から入力する
WelWorkの「業務記録ボード」で対象の日付を選びます。過去の日を入力する際は、今日の欄へ書き込んでいないか確認してください。「編集する」を開くと、上部で日誌、下部で利用者ごとの項目を入力できます。
出欠や利用時間、送迎、食事などの欄は、その日の実際の提供状況と照合します。出席したことと、支援記録を書き終えたことは別です。出欠が入っているだけで記録も完了したと判断せず、本文まで確認します。
「本日の支援記録」には、実際に観察したこと、本人の言葉、職員が行った対応を残します。作業時間を扱う場合は作業の設定も必要です。医療連携などの詳細な記録を、この画面の短いメモだけで済ませないようにします。
「いつもと違う」だけで終わらせない
「落ち着かなかった」「順調だった」という評価だけでは、他の職員が場面を想像できません。「いつ、どこで、何があったか」と、本人の言葉を先に書きます。職員の見立てを添えるときは、観察した事実と区別します。
架空の修正例として、「作業を嫌がった」を「作業開始時に『今日は別の作業がよい』と話した。職員が選択肢を伝え、本人は検品を選んだ」とすると、本人の意向と職員の対応を分けて読めます。記録を詳しくする目的は、本人を評価することではなく、支援の経緯を確認できるようにすることです。
AIが整理した文章や草案を利用する場合も、実際に支援した職員が内容を確認します。入力していない出来事が付け足されていないか、本人の言葉が別の意味に変わっていないかを確かめてから使います。
その日の終わりに、出欠と本文を照合する
出席した人の欄を見て、支援記録の記入が抜けていないか確認します。欠席や予定変更があった場合は、実際の状況と出欠欄が一致しているかを見ます。記録がないことと、支援をしていないことを安易に同一視せず、担当職員へ確認してください。
時間の入力も重要です。サービスを利用した時間と作業を行った時間は、目的が異なります。工賃計算では「サービス提供記録の作業時間」と「日々の作業記録」のどちらを参照する設定かを確認し、記録担当と計算担当の間で入力先をそろえます。
「あのときの対応」を、本文・タグ・期間で探す
業務記録ボードの「過去の日誌を検索・印刷」から、業務日誌の一覧へ進みます。「本文を検索…」にキーワードを入れ、開始日と終了日、必要に応じてタグを組み合わせます。タグは「いずれか」と「すべて」を切り替えられるため、広く探してから絞り込む使い方ができます。
たとえば「いつ見本を変えたか」を思い出せない場合は、本文に使った「見本」で検索します。日付を一日ずつ開く作業から、内容を手がかりに対象の日誌を探す作業へ変えられます。架空の例では「作業の見本を変更」という日誌を開き、その日の申し送りと後日の記録を読み比べます。
この検索は、所属事業所の業務日誌の本文とタグを対象にしたキーワード検索です。業務記録ボードの利用者別「本日の支援記録」や、議事録の本文をまとめて検索するものではありません。検索結果が多い場合は期間やキーワードを絞り、表記の違いも確かめます。
見つけた日誌は本文の前後まで読み、「印刷」「PDF」で必要な範囲を出力します。個別支援計画の見直しに使う際も、ある日の一件だけを代表的な状態とせず、複数日の事実と本人の意向を確認します。
| 知りたいこと | 検索の手がかり | 見つけた後に確認すること |
|---|---|---|
| 見本を変えた日の対応 | 本文「見本」+対象期間 | 変更の理由と、後日の本人の反応 |
| 送迎時の申し送り | 本文「送迎」+対象期間 | 同じ日付の出欠や、実際の連絡内容 |
| 複数のテーマに関係する日誌 | タグの「いずれか」または「すべて」 | 検索条件が広すぎないか、狭すぎないか |
録音した会議の内容を、業務日誌へ整理する
WelWorkで録音すると、文字起こしと議事録の草案を確認できます。業務日誌の作成・編集画面で「録音した内容を取り込む」を押し、録音を選んで文字起こしを確認すると、「本文の末尾に追加する」で入力済みの文章を残したまま取り込めます。日誌に必要な部分へ編集し、目的に不要な個人情報を残さないよう確認してから保存します。
新しく録音する場合は、取り込み画面の「この画面で録音する」を押します。「停止して文字起こし」を押すと録音が保存され、文字起こしができると確認欄へ表示されます。入力中の日誌を残したまま、内容を確認して追記できます。処理中や失敗した録音は取り込めません。氏名・数字・決定事項を原音と照合してください。録音時間は通常の録音と同じ利用時間に含まれます。新規日誌ではAIが本文から項目やタグの整理を補助しますが、職員が内容を確認して保存します。
日誌のヒヤリハットを、専用記録と月内集計につなぐ
月末や委員会の前に、日誌を読み返して出来事を手で数える作業は、記録が増えるほど負担になります。WelWorkでは、ヒヤリハット・インシデント・事故を専用記録に整理すると、期間を選んで総件数と種別・カテゴリ別の内訳、内容一覧を確認できます。
ヒヤリハットに関する日誌の詳細に「ヒヤリハット記録に起票」が表示されている場合は、そこから専用フォームを開きます。日誌の本文が概要へ引き継がれるので、職員が日付・対象者・種別・カテゴリなどを確認し、一つの出来事として保存します。起票の入口は、日誌のイベント種別が該当する場合に表示されます。
集計画面で「今月」や任意の開始日・終了日を選ぶと、その期間の日付を持つ専用記録が集計されます。数える単位は、保存された専用記録の一件です。日誌の文章中に「ヒヤリハット」と何回書かれたかを数える処理ではないので、同じ出来事を重複して起票していないか、起票していない出来事がないかを照合します。
集計結果と内容一覧は、委員会で振り返る材料になります。委員会資料をPDF・Wordに出す際は、開催日・出席者・考察を職員が入力します。専用記録の件数集計は通常の計算処理で、AIが事故の原因や必要な対応を決める機能ではありません。元の記録を読み、対応は事業所で検討します。
| 保存した種別 | 専用記録の件数 | 合計を確かめる方法 |
|---|---|---|
| ヒヤリハット | 3件 | 対象期間の内容一覧に3件あるか確認 |
| インシデント | 2件 | 同じ出来事を重ねて登録していないか確認 |
| 事故 | 1件 | 日付と種別が実際の記録に合っているか確認 |
| 合計 | 6件 | 3+2+1件と一覧の件数を照合 |
実務で使う確認リスト
- 対象日と利用者が合っている
- 観察・本人の言葉・職員の対応を区別した
- 出欠と支援記録の記入漏れを照合した
- 印刷する対象と共有範囲を確認した
よくある質問
- 出欠を入力すれば、支援記録も完成しますか?
- 完成しません。出欠はその日の利用状況であり、支援記録は本人の様子や職員が行った対応を残すものです。出席の欄と記録本文を別々に確認してください。
- 全員に同じ文章を書いてもよいですか?
- 共通の活動は業務日誌へまとめ、利用者ごとの支援記録には本人の様子や言葉、対応を残します。同じ活動でも経験や必要な支援は異なるため、実際に確認できた内容で書き分けます。
- 保存期間や提出の様式も、この手順で決まりますか?
- この記事は入力と振り返りの手順を説明するものです。保存期間や提出様式は、サービス種別、事業所の規程、指定権者の案内を確認して決めてください。
この記事と画面について
WelWorkの実装を確認して編集しています。画面・記載例の人物や記録は架空で、利用実績や効果を示すものではありません。制度上の要件や手続きは、事業所に適用される指定権者の最新の案内をご確認ください。
北村陽朗株式会社ENWAVE 代表取締役
2017年から障害福祉事業所を運営し、記録・会議・行政への提出物・人員配置の確認に追われてきた経験をもとに、WelWorkを開発しています。